Z w i l l i n g 7








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変化は、あまりにも突然で








「ふざけんなよ!」

「…あぁ?」





それはあまりにも突然だった

4限目の授業が終わって直ぐ

その男は跡部(弟)のいる教室に乱入してきた





「ちょ、何アレ…他校の人じゃない?」

「やばいって!跡部君、絡まれてるじゃんっ!」




他校の制服を着たその男子生徒は

まっすぐと跡部のいる席に向かい、目の前で怒鳴った

一方の跡部は椅子に座ったまま、冷静にその男を見上げていた





「…誰だ、お前。」

「うるせぇっ…この最低野郎が…!」

「意味わかんねぇ―ッ…」





きゃあと遠巻きにみていた生徒達から悲鳴があがる

乱入してきた男が跡部の襟首を掴んだのだ

無理やりたたされる形となる





「○○って名前の女知ってんだろ!」

「…それがどうした?」

「ッふざけんなッ!!」





○○という女の名前を言った後

本日二度目の同じ台詞を吐いて、男は跡部を手で押し倒した

がしゃん、と音が響く





その女の名前と、事情を察した跡部は

一人、気づかれないよう小さくため息を吐いた

くだらないと言わんばかりに、抵抗することもなかった





「跡部!?」





そう叫んで教室に入ってきたのは

騒ぎを聞きつけた忍足だった

いつの間にか教室の周りには人だかりが出来ていた





「あー…いいよ、来んな、忍足。」

「…や、せやかて。」

「こんな馬鹿の相手してやることねぇよ。」

「ッ…だとぉッ!?」





倒れ、座りこんだままの跡部の態度に

その男子生徒は余計に激昂する

再び胸倉を掴み、殴ろうと彼は腕に力を入れた





「跡部!」






そう忍足が叫ぶよりも早く

男の手が跡部に当たるよりも早く

彼女はそこに居た





ぴ、と少しだけ皮膚を掠れる音と

野次馬からあがる小さな悲鳴と

一瞬の静寂





「…私の弟が、貴方に何かしましたか?」





座り込んだままの跡部の前で

膝を突いて、両手を広げて

跡部を庇うように、静かに言う





頭に血を昇らせ乱入してきた男子生徒は

一瞬、その二人があまりにも似ているように見えて

ぞっとした





「お、とうと…?」

「景吾は私の弟です。…弟が貴方に何かしましたか?」

「…い、や…いや、そいつが、」


「君!!何をしてるんだ!!」





次に割って入ったのは、今更やってきた

先生達だった

あっというまに男は教室から連れ出された





残されたのは呆気にとられた生徒達と

一組の双子








**









「―…危ねぇだろうが。」

「景ちゃんがね。」

「俺はいい。俺の前に立つんじゃねぇよ。」

「殴られそうだったでしょー。」

「ふざけんな。お前が傷つく理由にはなんねぇよ。」

「私には十分な理由だよ。」





よいしょ、と私は立ち上がり

景吾の腕を引いた

やっとざわざわしだす生徒達





「…。」

「え?」

「…怪我。」

「ああ、少し掠ったんだね。」

「―――――ぶっ殺す。アイツ。」

「怖いこと言わないの。すぐ治るよ、こんなの。」

「チッ…」





今までで一番不愉快そうに、景吾は舌打ちをした

が机を直す間に

思い出したように忍足が寄ってきた





「大丈夫か?2人とも…」

「侑ちゃん。ん、大丈夫だよ。」

「…で、なんやったん。跡部、アレ。○○って誰?」

「校門でたとこでいきなり告ってきた女。」

「フったん?」

「興味ねぇよ。」

「逆恨みか。」

「ふん。大方あの女にさっきの野郎が惚れてたんだろ。」

「ええとばっちりやな。」

。保健室行くぞ。」

「えー…いいのに…。」





私にとって、弟を、景吾を守ろうとするのは

当然の行為だった

景吾が私に対してそう思っていくれているように





ただ、今回のこの事件が

に対する感情の変化を

それを見ていた生徒達に与えただけで










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