Z w i l l i n g 38











ベッドの上でうつ伏せのまま

ぼんやりと視界に入る景色を眺める

ゆっくり髪を撫でる手が…心地いい筈なのに、今は酷く寂しくて





「大丈夫?」

「…ごめん。」

「…。」





ベッドに腰掛けた彼が、優しく聞いてくる

その笑顔も触れる手も全部優しいけれど

自分が、嫌すぎて、その優しさに応えられない





「気にしなくていいんだよ。」

「…」

「全部分かってる上で…でここにいるから。」

「―――それは」

ちゃんは何も悪くない。」





その言葉に、少し救われる

甘えてるのは分かってるけど、それでも

彼の庇う言葉に、マイナスな思考にストップがかかるから





「私…私ね、」

「…何?」





自分の中のわだかまりを全て吐き出したい

これ以上、この優しい人に甘えるのは間違いかもしれないけど

吐き出したら、何か変われるかもしれない





重い体をゆっくり上げる

泣きすぎたせいか、頭も響く

それでも話そうと体を起こしたところで、チャイムが鳴った





「誰・・・?」

「俺が出ようか?」

「ん…ありがとう、お願いしてもいい?」

「いいよ、横になってな?」





友達は涼ぐらいしか、まだここをしらない

だから

訪ねてくると思わなかった





「…跡部。」

「…何で、お前がここにいる?」




「幸村君、誰? ――あ…」





心臓が、ぎゅと捕まれる気がした

なんで

景吾が、ここに





「あがったら、跡部。」

「…」

「あがって、話たら?俺はもう帰るから。」





聞いてるようで、有無を言わさない幸村君の言葉

景吾はちらっと私を見て、幸村君を見て

玄関に足を踏み入れた




ちゃん。ちゃんが必要なら、俺はいつでもいるから。」




すれ違い様に、小さく耳元で幸村君が言った

―――優しすぎて

いい加減、自分も素直にならなきゃいけないと、



そう思った












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