Z w i l l i n g 35
会いたい
会いたい
彼に会いたい
母と景吾との夕食後
マンションに戻り直ぐ寝た
そして朝、起きた瞬間ただそれだけ思っていた
学校に行かなきゃって、当然思ったけど
それもどうでもいいような気がして
だって、いったって
「おはよ…どうした?」
「おはよ、涼ちゃん。 ――何が?」
「え、凄い疲れた顔してるけど…」
怪訝そうに彼女は私を見てくる
確かに元気だとはいえないけど
顔には出してないつもりだった
「ねぇ、涼ちゃんさ…」
「ん?」
カバンを置いて、席に座りながら
私は前の席に座る涼ちゃんに話しかける
聞きたいことがあって
「景ちゃんに、」
「…跡部に?」
「彼女がいること知ってた?」
「――…ああ、うん、まぁね。」
「…そうなの?」
知らないと思ってた
だって、知ってたなら
なんで
「あんた、立海の彼にに夢中だったじゃん。」
「…?」
「クラス中…てか多分学校中で噂になってたけど。」
「そう、だっけ。」
「ん。その様子じゃ、相手も知らない?」
「…知らない。」
誰?と聞きたいような聞きたくないような
でもやっぱ気になるから聞こうと思ったところで
邪魔が入った
「跡部!」
「…あ、はい、先生。」
「今日日直だろ?資料室から…」
「あーはい。分かりました。…ちょっと行ってくるね。」
「ん、またあとで。」
面倒だな、いつもなら特に何も思わないその作業も
何故か酷くそう感じて
私は教室を出た
…本当、日直じゃなければ
私は今どんな表情をしているんだろう
なんとなく
昔に戻ってる気がする
資料室に行く道は、景吾のクラスを通る
だから、別に会ってもおかしくないわけで
景ちゃんと、その、彼女
ああー知ってる、あの子
昔、私を率先して苛めてた、綺麗な子
今はもうしてないけど
どうして、わざわざ
「あれ、じゃん。んなことで突っ立って…あ。」
「がっくん…これ、涼ちゃんに渡しておいて。」
「えっ?おい!!」
そのまま先生に渡された資料を岳人に渡し
はじめて学校を抜け出した
だって、会いたくてしかたがなかったから
寂しいんだと思う
更に、余計に一人感じて
景吾に彼女が出来たことで
もうだめだって
もう二度と、あの頃に
お互いが通じ合ってた頃には戻れないんだって
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