Z w i l l i n g 28
「ねぇ、、何で文化祭?」
「え?立海のだよ?」
「そうじゃなくて…」
「?」
「何で、立海の文化祭行く気になったの?」
久しぶりな気がする、放課後の図書室
今日は真っ直ぐ帰ろうと思ったのだけれど
涼ちゃんが寄って行こうと言ったので、来ていた
「んー…立海の人と顔見知りになったからな?」
「…さ、何かはぐらかしてない?」
「? はぐらかすことなんて何もないよ?」
「そ、か。」
それから、お互いなんとなく話さなくなり
無言で、適当に取った本を読みながら
時間を潰した
「お疲れ様、景ちゃん。」
「…ああ。」
部活が終わる時間になって、二人でコートに向かった
レギュラーのミーティングがあったらしく
また暫く待ってから、部室から出てきた景ちゃんに声をかけた
「ちゃん、お疲れさん。」
「侑ちゃん。お疲れー」
「あー、ちゃん、文化祭行くんやって?」
「あれ?誰から?」
「ごめん、私。」
「いやいや、別にいいよ。うん、立海の文化祭。」
ぴくりと、の言葉に跡部が反応する
目の前にいたと
涼がそれに気づく
「景ちゃん?」
「…この前、立海行った時に誘われたのか?」
「ううん聞いただけで、自分で行こうと思っただけだけど…」
「何や、ちゃん好きな人でもできたん?」
からかい半分に
忍足は聞いたつもりだった
けれど、その言葉は予想以上にその場を静かにさせた
一瞬の間を置いて
はふっと笑いながら
忍足に答えた
「別にそういうわけじゃないよー」
「…そういうわけじゃないなら、何なんだ?」
「景ちゃん、」
忍足と同じようにおどけて返したつもりで、でも
弟から返ってきた言葉は、冷たくて
の顔から笑みが消える
「…何が?」
「…何がだ?」
「景ちゃんの言ってる意味が分からない。」
「そのままだろ。」
「…最近、そんなんばっかだね。」
沈んでいく言葉
滅多に見せない双子の様子に
涼を含める周りは口を挟めないでいる
「そんなん…?」
「冷たい。」
「分からないんじゃなかったのか?」
「ッそういう意味じゃ、シンクロのことじゃない!」
「…」
「何にそんなに苛々してるの?私が何かした?」
跡部はに目をあわせようとせず
それが余計に悲しくて
腹立たしかった
「景吾が、言ったくれたんだよね。」
「…なにを、」
「何も感じられなくても、いつも傍にいるって。」
「…それが、どうした。」
「嘘ばっかり。」
辛い、悲しくて、寂しくて仕方が無かった
それはシンクロできなくなったせいじゃないと思う
シンクロしていても、きっと、遠くなった
「傍にいるなんて、気休めでしょ?」
「…、」
「コレを気に、一人でいられるようになれってことでしょ?」
「そんなこと言ってねえだろ。」
「私はもう一人でも平気だよ。」
「…嘘だろ。」
一人でも平気
一人でも、もおうなんでも出来る
もう
「嘘じゃない。」
「もう私のこと考えなくていいよ。」
「!」
「もういい!」
掴まれた腕を振り払って
その場を後にした
もうきっと、ここにも来ない
景吾か、涼ちゃんが呼ぶ声がしたけど
足を止めることは無かった
はじめて、景吾と同じ家に帰るのが嫌だと思った
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