Z w i l l i n g 17
「、日曜日買い物行かない?」
「買い物?日曜日?」
「嫌?」
「いや全然。ちょっとびっくりしただけ。」
「そう?」
「だって涼ちゃんから誘うの珍しい。」
「たまにはね。お昼にアンタん家行くから。弟も誘っといてね。」
景吾も?それまた珍しい
と突っ込む暇もなく、涼ちゃんと別れた
金曜日の帰り道だった
「お嬢様。」
「…んー?」
「お友達がお見えです。」
「えー?…今何時?」
「11時で御座います。」
「…おう。えっと、ここまで通しちゃって。」
「畏まりました。ご朝食は如何なさいますか?」
「ん、いらないや。飲み物だけお願い。」
「はい。」
11時かぁ、確か涼ちゃんお昼って行ってたな
12時に起きるつもりだったんだけど、遅いか
メイドさんが開けてってくれた窓から差し込む日に、目が少し眩んだ
「涼ちゃん、おはよー」
「…やっぱりまだ寝てたか。」
「えへ。」
「えへ、じゃない。今日着る服きまってる?」
「まさかぁ。」
「クローゼットあさっていい?」
「?どぞ。」
ウォークインクローゼットの中に入り、服を物色する涼さん
いつになく積極的な彼女が
やはりちょっと妙な感じがするのだけど
話しかけようとして、ノックが響いた
「お飲み物お持ちしました。」
「あ、ありがとー。」
「…あ、すみません。」
「はい、なんでしょうか?」
「の服ってここにあるのだけですか?」
「いえ、奥のお部屋に奥様が送って下さったものが御座います。」
「案内してもらっていいですか?」
「お嬢様さえ宜しければ。」
「いい?。」
「へ?え、いいけど、あっちにあるの私あんま着ない…」
、のですけれど、普段着るタイプと違うから
と言い終わる前に、涼ちゃんはメイドさんと部屋を出てった
間抜け面で、ジュース片手に待つしかなかった
「それ、私が今日着るの?」
「そうよ。」
「うわー女の子女の子してる。」
「まぁいつものカジュアルとは違うわね。」
「ワンピース…可愛いらしすぎない?」
「時間なくなるから、早く着替えて。」
「はー…い。」
ちゃかちゃかと手際よく勧めて行く涼さんに
口答えやらなんやら出来るわけものなく
私は大人しく着替えた
それから髪もやってもらった、くるくると巻かれた
日々すっぴんだった顔に軽くメイクも
お人形になった気分だ
「ん、いいんじゃない。」
「そ?うわぁ、でもなんか“されてる”って感じ。」
「ど、跡部。」
「へ?」
「いいんじゃんねぇの。」
「あれ、景ちゃん、いつのまに。」
いつの間にか、しっかり着替えをすませていた景ちゃんがいた
それから鞄を持ったら(これも全然使ってなかった母の贈り物)
さっさと家を出た
「涼ちゃん、今日買いもの行くんだよね?」
「そうね、買い物も予定の一つね。」
「え、他にも?どっか行くの?」
「そりゃね、デートだし。」
「ふぅん。…でぇと?」
「あと一人呼んでるから、男。」
「え?」
変な声をあげ、私は一瞬立ち止まる
小さくため息を吐いた景吾に軽く引っ張られ
慌てて先行く涼ちゃんを追いかけた
「デートって…なんでまたデート…」
「いいじゃない。」
「悪くないけど…あーだから景ちゃんも。」
「2-2で丁度いいでしょ。」
「はぁ…誰が来るの?うちのテニス部の人?」
「まさか。」
待ち合わせ場所らしき、時計台の下で涼ちゃんと尋ねる
景吾は始めから知っていたのか、何も言わない
…なんで言ってくれなかったんだろ、別にいいけどさ
「涼ちゃんの友達?」
「友達っていうか…あ、来た。」
「え?」
涼ちゃんが視線を向ける方向へ
自分もつられるように向けた
目に入るは、休日らしい人ごみ
「ごめん、待たせた?」
「今来たトコ。」
「…」
にこりと、爽やかというか、どこか儚げというか
そんな笑みを見せた彼は
一言で言えば、穏やかな人
「えーっと…涼ちゃん?」
「紹介するわね。イトコの幸村精市。」
「ゆき、むらさん。」
「で、こっちが話してた友達の、と弟の景吾。」
「はじめまして、さん。と、景吾君?」
「あ…はじめまして。」
「…ああ。」
ちらりと視線をむけ、小さく返事する景吾に
ちゃんと挨拶しなきゃーと普段なら突っ込むが
残念ながら、さすがの私も展開のはやさに
若干ついていけてなかった
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