Z w i l l i n g 16








**








が、立海に行っている間

ソレは感じた

今までに、から感じたことの無い、感情





自分が、に対して、常に抱いている感情と似ていた

だから、そうじゃないかと思った

が、誰かを





。」

「…ん、ああ景ちゃん、どうしたの?」

「…」

「?入ってきたら?どうぞ。」

「…ああ。」





ノックもせずに、部屋でテレビを見ていたに声をかける

はそんなことは気にするそぶりも見せず

クッションを置いて、自分の隣りを勧める





「この前立海行って来ただろ。」

「うん。榊先生に頼まれてね。」

「…何か、あったか?」

「?何も?あーテニス部の人には沢山会ったよ。」

「たくさん…?」





んーと唸りながら、は覚えている名前をあげていった

分かる限り、全員レギュラーであることが分かった

練習試合、対戦相手の名前くらい覚えている





「へぇレギュラー。強い人たちだったんだね。」

「…それで、」

「それで?」

「…」

「景ちゃん…?」





うまく、言葉に出来ない

「それで、好きなやつができたのか?」

なんて、酷く滑稽な質問のようで





だから

質問をやめた

否、変えた






、お前、好きな奴いるか?」

「好きな人?いないけど?」

「…」





あっさりと、は返した

逆に、拍子抜けだ

嘘をつくとは思えない





「いな、い?」

「うん。…なんで、そんなこと急に聞くの?」





面倒くさくなって

正直に話した

シンクロしたコトを





「…私が、そんなこと?」

「ああ…。つーか、自分のことだろ。」

「…だって、誰も好きになってないんだけどなぁ。」

「…そうか。」

「うん。」

「なら、いい。…もう遅いから、寝ろ。」

「景ちゃんもね。おやすみ。」















**








「え、で、ちゃんは仁王君とやらが好きなん?」

「え?何で?」

「え、その話の流れて的に…」

「違う違う、景ちゃんと似てるって思うとこがあっただけ。」

「跡部と?」

「だから、ドキっとしたんじゃない?それを好きと勘違いしたとか。」





今日もまた屋上、昨日立海に行った話をしていた

はそこまで言って、お弁当の中のチキンを摘みながら

景ちゃんかっこいいからねーと笑顔を浮かべている






そのまま、隣りにいた涼と話し出す

忍足はこそっと、跡部に話しかける

パンを齧りながら





「…思い過ごし、みたいやな。」

「…」

「シンクロミスか、あるんやなぁ。あ、跡部がマトモな恋してへんからとか?」

「…うるせぇよ。」





が好きではない、そう言うのなら

忍足の言うように、勘違いか

けれど、それでも、気持ちがすっきりすることはない





「あ…私飲み物かってくるの忘れてた。」

「あ、じゃあ私買いに行くよー涼ちゃん。」

「いいの?」

「うん、ついでにお菓子買いたいから。」

「買いすぎないようにね。じゃ、これお願い。」

「まいどー」





ふとそう言い出した涼から

は飲み物代のお金を貰い

足早に屋上をあとにした





「―――で、話すけどさ。」

「…やっぱ話あったんか。」

「ちょっと、が邪魔だったからね。」





涼がを行かせるのは珍しい

もとい、元々買い忘れをするようなタイプでないからして

が居ない状態で話をしようとしたのは予想がつく





「…なんだ?」

自身も自覚してないんじゃないか、と思うんだけど。」

「…何がやの?」

「誰かを好きって思う気持ち。」

「…ちゃんはホンマは誰かを好きなのに、自分で分かってないてことなん?」

「そ。」





跡部は何も答えない、難しそうな顔をしたまま

涼はそんな跡部の様子をじっと見る

忍足も口を閉じ、つられるように跡部を見た





「アンタはさ、跡部。」

「…あ?」

のこと好きなわけ?」

「…それがどうした。」

「姉弟としてじゃなくて、男と女としてって聞いてんの。」





少し、忍足がぎょっとする

そんなストレートに聞いてしまうのか

自分もそれは疑問に思ったことだが

肯定されても困る質問故、濁してきたのに





「…俺にも分んねぇよ。何を基準にソレを判断すればいいのか。」

「…ふうん、まぁ、そうかもね。」





それだけ答えて、涼は何か考えこむように黙り込んだ

跡部も何も言わない

忍足も口を挟めるわけでもなく

黙って菓子パンを口に入れた






「…じゃあさ、試しにデートしてみる?」

「は…?」

「あたしも付き合うからさ、アンタとと、もう一人男で。」

「男って、誰を呼ぶ気だよ。」

「ちゃんと信用できる奴呼ぶよ。」

「えーそれ俺やあかんの?」

「アンタふられたでしょ。」

「…せやな。」





唐突な涼の申し出に

跡部は少し困惑する

それが、何になるのかよく分からない





「あー、でぇ…それが何になるん?」

「お互い刺激にはなるんじゃない?」

「じゃないって…」

「知らない男と話すを見てどう思うかとか。」

「…。」

「やってみて損はないでしょ。このまま中途半端に行くわけ?」

「…。」





クールに、きっぱりそう言い放たれれば

それ以上何も言えなくて

跡部も再び押し黙っている





「私は、アンタよりのが心配だし。つまりはさ…」

「つまりは?」

「まともに恋愛して欲しいわけ。」

「…。」

「不毛だよ。姉弟の恋なんて。」





不毛だよ、というか、駄目だろう

という突っ込みを忍足は飲み込んだ

涼の言うことは、至極、もっともなことで





「…いいんじゃねぇの。」





吐き捨てるように、跡部はそう言った

それを涼は承諾と受け取り

詳しくはまた、と答えた





「ただいまぁ〜」

「お帰り。混んでなかった?」

「うん。はい、ジュース。」

「ありがと。」

「…。」





にこにこと、変わらない笑顔のまま戻ってきた

涼はなんでもなかったかのように対応する

まだ言ったらダメなのか、と忍足は一人解釈する





「…景ちゃん?どうかした?」

「あ…?」

「何か、ずっとすっきりしない感じ。…何かあった?」

「なんでもねぇよ。部活のこと考えてるだけだ。」

「そ?…あんま根つめないようにね。」

「ああ…」





この時ばかりは

シンクロしなければいいのに

と跡部は思った







**











next