蝶23
―――――――――私は数日前、外にでかけた
「小悪魔系」探しに…
もとい新しい蝶を探しに
元々欲しかったし
オーナーにも言われてたし
ってことで
科白町から電車を乗り継いで
本当に、気まぐれに辿り着いたそこ
私の出身中学だった
ろくな思い出なんかない
その頃も当然施設に居て
施設も、くだらない学校も大嫌いだった
本当にアノ頃の自分は荒んでいて
全部がどうでもよくて
笑うことなんて、忘れていた
あぁそうだ、でも、ここで始めて会ったんだよな
景吾と
それから私は運命は変わりだしたんだ
「懐かしい…」
ペタと私は校門に触れた
お世辞にも綺麗とは言えない
特に取り得もない中学校
今日は日曜日
だから私は
本当に気まぐれに、中への足を踏み入れた
* *
私は、思わず足を止めてしまった
普段の抗体から、驚くことってあまりないのだけれど
その時は本当に驚いた
あまりにも自然に
写りこんだ景色の中にいた彼が
涙を流していたから
「………何?」
「…あ、えっと…ごめん。」
「……。」
冷めた目線を送り
私に対して興味の色を全く示すことなく
プイと彼は直ぐそっぽを向いた
私は思わず口ごもってしまった
こんな風になってしまうのは久しぶりだ
なんて言おうなんて、言葉に詰まることは
彼は階段に腰掛けていて
視線の先、少し離れた所にはテニスコートがあった
彼はそこを見ていた
「テニス…するの?」
「…アンタに関係ないでしょ。」
「…そうだけど。」
「……。」
「泣いてるのは、困るんだけど。」
「……何が?」
「いや、もう、放っとけって言われても無理、みたいな?」
どもりながら
私は言った
ちょっと話したらだんだん調子を取り戻してきた
「……私ねぇここの学校出身。」
「…それが。」
「義務教育じゃなかったら、卒業もできなかっただろうけど。」
「なんで」
「ん〜結構停学くらってたからさー」
「……。」
ポツリポツリと
私は一方的に自分の過去を話し始めた
彼は黙っていた
「馬鹿な同級生も殴ったし、先生も殴ったし。」
「……。」
「授業は聞かない、宿題は当然やらない、遅刻早退常習犯。」
「…酷いね。」
「うん、どうでもよかったから。」
「じゃあ、やめれば良かったんじゃん。」
「私施設っ子だから、無理やり送られて、学校まで。」
「ふーん。」
「涙止まったね。」
「……。」
やっと私はニコリと微笑んだ
そのまま彼と目が合う
でも彼は笑わない
「…あんた今何してんの。元不良。」
「不良って…わけじゃ…不良か。」
「…で」
「仕事してるよ。叔父のコネで。」
「ふーん。いいね、幸せそうで。」
「…幸せそうに見えるの?」
「顔に書いてあんじゃん。」
少し生意気そうに、やっと彼は笑った
私も笑いかける
けれど、直ぐに彼の顔に影が戻る
「もう少し話ててもいい?」
「――――――」
「名前、なんてゆーの?」
「―――――…リョーマ。」
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