私の恋人はいつも私を馬鹿にする

私はいつも、簡単にあしらわれる

とても、悔しいと、いつも思うわけで




「さっき窓から入る時、上の人と目が合った気がする。」

「気のせいですよ。」

「バレたらどうしようかっ?」

「黙らせます。」

「あなたならマジで出来る気がする。」



観月はこっちを見ていない

椅子に腰掛け、PCと睨めっこしている

可愛い可愛い…彼女がいるというのに



はあ、と自分で言ってため息が出た

来たって、こうして相手にされないことはよくある

虚しいけどあきらめてもいる



バラっと、持ってきた鞄からカードをだした

タロットカード

ずっと前に気まぐれで買って

今も捨てられないでいるそれ



「…シャッフル…」



暇つぶしの一環で口に出してやってみる

何を占おうか

今日の運勢とかでいいかな



「カット。」



何が出るか

今日の運勢って言っても

この状態は既に答えがでてるようなものだが



「スプレッド。」



「…何してるんです。」



展開しかけたところで

声をかけられた

一回視線を合わせてから



「…ワン・オラクル。」



「…」



無視して続けた

無視されたことに彼は

少し不快そうに眉根を寄せる

…なんかちょっといい気分だった



「え…?…さ…最悪…」



「何ですかそれ。」



断崖に立つ、若い男と犬

そして逆位置

表す意味は不安定さ…とかにかくいい意味はない



「どういう意味です?」

「…はじめでも知らないんだ。」

「…興味ありませんから。」

「じゃあ、しらなくてもいいじゃん。」



少しの意地悪と

少しの不機嫌さ

――――いつもと違う反抗的な態度を取ってみた



ふと、思いつく

地べたに座っていた体を向き直し、カードを持って

椅子に座るはじめに向き直った



「シャッフル。」

「何するんです。」

「はじめの運勢占い …カット。」

「結構です。」

「スプレッド …展開するって意味。」

「…。」

「ワン・オラクル …枚のカードで結果を見るってこと。」



問答無用で進めてみた

占いとか、自分の出来ないこととか、知らないこと

目の前でどんどん進められていくと

だんだん口を挟めなくなる…もんだろう



「…こ、恋人達。……逆位置。」

「なんです、今度は。」

「…ろくでもない!はじめ酷い!」

「は?何言い出すんですか貴女は!」

「いい結果じゃないってことッ!」



バンっとカードを叩きつける

ろくでもないろくでもない

やるんじゃなかった



「くっだらないことで怒らないで下さい。」

「何がくだらないわけ。そもそも私がいるのに何で他ごとしてるわけ。馬鹿。」

「…馬鹿とまで言われる筋合いありせんよ。」

「じゃ自分勝手。自分が無視されたら嬉しい?ちゃんと来るって言ったじゃん、事前に。」

「それは、そうですが。」

「そうでしょ。わかってんなら後でやればいいじゃん。なんなのさ。」

「…そんなに怒らないで下さい。」

「怒らせたのはじめでしょ。」



一方的にまくし立ててやった

滅多に見られない困った顔

ざまーみろ、かなりスッキリ



「すみません。」

「ええ。」

「…何か飲みますか。」

「とりあえずPCの電源切って。」

「…もう落としてあります。」

「じゃあ紅茶飲みたい。甘めのやつ。」

「いいですよ。」



何か勝った気分だ

凄く勝った気分だ

やっぱ怒る時はまくし立てるに限る

…今度からそしよう











淹れてくれたはじめ特製の紅茶を飲めば

あっとゆー間に顔も綻ぶ

そしてまた滅多に見られないはじめの苦笑いも見れた


たしだけをみて