牛乳をお皿の中に入れる

卵を割って、そこに流し込む

砂糖を適量入れ、ぐるぐるとかき混ぜる




トーストを四等分にし

浸す、きちんと完全に浸す

そしてラップをし、冷蔵庫においておく




そこまで終えたところで

私はキッチンのドアをあけ

そいつを見た




カチカチと、鼻歌を歌いながら

そいつは携帯をいじっている

まぁた女の子だろうな、あのヌけた表情は




「…暇そうだねぇ。中学生。」

「えー暇じゃないって!の美味しい手料理を食べに来たの!」

「さっさと部活行きなよ。」

の料理を食べてからね♪」

「…」




休日、時刻は午後3時

私も女テニだが、今日はオフ

アイツはばっちり練習があったはずだけれど




「普段全然会えないんだから!無理にでも時間は作らなきゃ♪」

「へぇ、で今だれとメールしてるのかな?清純クン。」

「暇潰しの相手!…写メちょー可愛かったのに、ちょっと騙された。」

「…あ、そ。」




今に始まったことじゃない

清純と付き合う以上、んなとこ気にしてられない

――年上だし、私、大人にならなきゃね




の高校の子って、可愛くない子多いよねー。」

「失ッ礼なやつ…」

は可愛いけど♪」

「―――そりゃどぉも。」

「照れてる?」

「照れてない。」




こいつの「可愛い」なんて

日常茶飯事の台詞じゃんか

照れるな、自分




ぴんぽーん




「ん?お客さん?」

「…出てくる。」




私は一応一人暮らしをしてる

知り合いが管理人してるアパートだけど

それでもチャイムが鳴るのは珍しい

送られてくる荷物もなかった筈だ




「はい…どちらさ…」

「清純!」

「…はい?」

「え、アナタ誰?」

「…そちらこそ、どちら様?」




ドアをあけ、第一声は「清純」

若干ケバい化粧をした女の子

―――ここ、私の部屋ですが




「…ここ清純の部屋じゃないの!?」

「違います。」

「嘘!だって私ここに清純が入るの見たんだから!」

「…へぇ。(見た?)」

「え、もしかしてアンタと住んでるの!?」




…なにこのテンション

…まぁた、アイツ関係か

にしてもここまでくるとは、ちょっと怖い




「…そうだとしたら?何?(住んでないけど)」

「え、冗談でしょッ?」


「冗談じゃないよ。恋人同士一緒に住んでおかしい?」


「ちょ、きよ…(一緒には住んでないでしょ)」

「清純!」




いつからいたのか、玄関のドアに手をかけて

私の背後から清純が言った

彼女はショックを受けたような顔をしている




「二度とここにはこないでね?」

「えっ、だってっ!」

「次来て、に迷惑かけたら許さないから。」




にこ、と若干ドスを効かせた声で

いつもの笑顔を見せれば

彼女は口をあけたまま固まって

清純はバイバイと言ってドアをしめた





「…どちら様?」

「…んーどっかで逆ナンしてきて、一度遊んだっきりだった子だと思う。」

「バカ…」

「ごめんねー。こんなとこまで来るなんて、きもいね。」

「きもいって…はぁ。(遊んだんならアンタも悪い)」

ー」

「何よ…」

「お腹減った。」




…一気に気が抜けた

隠すこともなく、大きなため息をついて

私はキッチンへと戻った




冷蔵庫からさっきつけたトーストを取り出す

そしてフライパンで焼く

少し焦げ目をつけて

お皿に乗せて、はちみつと生クリームをたらしてやる

出来上がり




「〜〜めっちゃ美味しい♪」

「それはどうも。」

大好き♪」

「…ありがと。」



















餌付けじゃあるまいし

―――それでも、美味しいといわれ、可愛いといわれ

笑顔を見せてくれれば

私はそれで全てを許してしまうんだ、いつも




は特別?