空を見上げる
そこには太陽も青空もなくて
ただねずみ色
余計に肌寒さを感じた
ぶる、と少し肩を震わせながら
私は、涙を流した
「今日で、卒業だね。」
「そうだね。」
「…楽しかった?三年間。」
「うん。は?」
「まぁまぁ、かな。」
「そっか…」
彼はにこりと笑う
三年間変わらない笑みで
―――彼に声をかけられた時、涙は引っ込めてある
ねぇ、片思い、したことありますか
楽しくて、怖くて、苦しくて、時々幸せな
滑稽なくらい変わる、その感情
ずっと傍に居たよね
私が好きだったせいかな
この関係が壊れることが怖くて
バレないようにずっと振舞ってきたけれど
気づいたら、隣にいて笑ってたよね
怖いぐらい、私の思い出は貴方の笑顔で埋め尽くされてるよ
…馬鹿だなぁ私
三年間の思い出が、貴方の笑顔なんて
陳腐な恋愛漫画じゃあるまいし
―――なんて、
「卒業式が曇りなんて、寂しいね。」
「まぁね。…でもお似合いな気もする。」
「お似合い?」
「俺にとって卒業って悲しいものだから。」
私も、悲しい
それは、学校を卒業するからじゃなくて
貴方にもう会えないから
貴方はとなりで笑っていた
それが幸せで
嬉しくて楽しくて暖かくってしかたがなかったから
明日から貴方がいないなんて
私はどうすればいいですか
ねぇ
今から、告白しようか
ずっとスキでした、付き合って下さい
ずっと、一緒に居て下さい
でも、それは、できないよね
好きだといっても、一緒にはもういられない
たまに会うだけなんて耐えられない
だって三年間貴方はずっと私のとなりにいたから
笑っていたから
居るのが、当たり前だったから
「高校も、楽しめるといいね。」
「もね。」
「頑張ってね、周助。」
「も、頑張ってね…」
「うん。」
好きです
好きだよ
貴方の笑顔に、何度も救われました
貴方の何気ない言葉に、何度も幸せを感じられました
この三年間
私は少しでも
貴方の中にいた?
「――――…三年間、ありがとう、周助。」
「…こちらこそ、ありがとう、。」
春からは、バラバラの学校へ通う
だからきっと最後の笑顔
貴方にはもう会わない
半端に会ってしまったら
今度こそ二度と離れられなくなってしまうだろうから
だから
「さようなら。」
私は、ゆっくりと
彼の笑顔を写す瞳を閉じた
おわかれの日