暇だった
とにかくなんていうか暇だった
だから、つい
「隣のクラスのあっとべ君。」
「あ?」
「昨日さーお母さんと喧嘩してさー」
「…なんでだ。」
「ケイタイ、買ってくれないんだもん。」
「お前は絶ッ対壊すだけだ。無駄。…んで自分の教室帰れ。」
「酷ッ。ふん。跡部は次移動教室でしょー。いってらしゃ〜い。」
「……。」
もの凄く怪訝そうな視線を送りつつ
跡部は教室を後にした
その時は本当
こんなのことになるなんて思ってもみなかったんですよ
「あれ?…なんか振動してる。」
やっぱり暇なので、大人しく教室に帰ろうとした時
跡部のカバンが軽く振動していることに気づく
好奇心に負け、それに手を出す
「おーピカピカだ、跡部の携帯発見!」
教室に誰もいなくなったのを確認
やはり、暇と好奇心に負けた
「…ケイタイ、自分の持ってないからわかんないや。」
自習の上、監督の先生がいないため
皆が好き勝手やってるクラスに戻らず
静まり返った跡部のクラスで
一人こっそりと教室の隅で彼の携帯をいじっていた
「この前がっくんがゲームしてたのになぁ。できないのかなぁ。」
「……何してん、。おらんと思ったら…」
「おお忍足君。自習プリントはいいの?」
「あぁ今終わっ―――て、お前…それ跡部のやん?」
「ゲームがしたい。」
そう言ってやってきた同じクラスの忍足に、携帯を差し出した
忍足は一瞬呆れ顔をしたが
すぐにものすごく楽しそうな顔をした
「これ、おしゃべりできんで。ほら、ここから選びたい放題や。」
「知ってるよ。電話機能があるんでしょ。」
「…電話機能って。ほんま機械関係苦手やなぁ。」
「…電話か、してみたいかも。」
「せやろ。誰と話したい?」
「誰でもいー。暇つぶしの相手になってくれる人。」
「了解。」
「え?もうかかってるの?」
「せや。耳あてて待ってみ。」
「了解。」
ぷるるるる
『…もしもし?』
「もしもし?」
『あれ?…女の子?』
「うん。女です。」
『えーっと、どちら様かな?』
「。」
『…氷帝のマネージャーさん?』
「正解!」
さて問題です
電話の相手は誰でしょう
ちなみにヒントは他校です
ついでに忍足は笑いを堪えています
「ところで誰?」
『え?わからないでかけたの?』
「うん、侑士がかけてくれた。」
『侑士…あぁ忍足、』
「うん。」
『で、俺が誰だか分からない?』
「全然。」
『残念、前あったことあるんだけど。』
「あれ?そうなの?…えっとねぇ…」
『…ちゃん、自分の携帯持ってないの?』
「ない。」
『そっか、じゃあちょっと忍足に代わってくれる?』
了解。と言っては素直に忍足に携帯を渡した
忍足は笑うのを止めて、ちょっと驚いた顔をして携帯を受け取る
電話の相手は楽しそうな声で言った
『どういうつもりかな?』
「んーせやなぁ、まぁ跡部への嫌がらせ?」
『むしろダシに使われてる気がするんだけど。』
「ダシ?」
『あれ?跡部ってマネージャーさんに惚れてなかったっけ。』
「…さすが、すっるどいなぁ。試合ん時会っただけで。」
『…思い通りにはいかせないよ?』
「ん?」
忍足の背筋がちょっとヒンヤリしたところで
再び電話の相手から変われコールがかかる
がきらきらした瞳で迎える
『ねぇちゃ…』
「不二周助君。」
『え?』
「青学テニス部の天才、でしょ?」
『…思い出してくれたんだ。』
「うん。」
『凄い凄い。ところでちゃん、提案なんだけど。』
「提案?」
電話の相手、不二の声が楽しげに弾む
わくわくしてその提案を待つそらに
背後の忍足が「げ。」と呻く声は届かなかった
『この電話で話した内容、跡部には内緒ね?』
「内緒?」
『うん、秘密。』
「いいね!なんか楽しそう。」
『それと、携帯買ったら番号、教えてね。』
「うん。任せとけ。」
「オイ、コラ。」
「あ。」
鬼の様な形相で
いつの間にか戻った
携帯の持ち主跡部クンがそこにたっていた
跡部はすばやくの手から携帯を奪う
「…よぉ。不二か。」
『あぁ跡部。久しぶり。』
「…悪かったな、うちのバカが。二度と電話かけさせねぇから。」
『あぁ全然かまわないよ。』
「………じゃもう切 「不二君ごめんねー!!」
『ちゃん?かまわないよ。またね。あぁそれから、秘密だからね。』
「あぁ秘密ね!」
ぶちっ…つーつーつー
「…人の携帯使っといて、随分ご機嫌だなぁ?」
「…エヘッ♪いやぁ暇でさ…つい♪」
「えへじゃねぇよこの馬鹿!反省しろ。」
「うぃーっス。」
「で、…秘密って何だ。」
「ん?秘密。」
「…」
今日の部活
忍足が皆の倍練習量が増えてたのは
言うまでもない
抜け駆け禁止