「好きなんスけど。」



突然告白された
無表情で


大人びた子だだなぁと
思っていた程度の後輩
たまに話す程度の後輩


でも嫌いでもなかったし
断る理由もなかったので
二つ返事でOKした


そして、今至る



**



「先輩。」
「光。どうしたの?」
「…今帰りっすか?」
「ああ、うん。部活は?」
「今日休みっス。」
「あーそっかぁ、でも私友達と約束しちゃって…」



彼はテニス部で私は帰宅部だから
めったに一緒に帰れることはないのだけれど
今日は先約があった


それにこんな事くらいで凹む子でもないし
付き合う前から思ってた事
やっぱりクールというか


ベタベタもしないし
相変わらず先輩呼びだし
そういえばまだまともにデート的なこともしてないな


私はどちらでもいい
結構相手に合わせるタイプなので
メールも電話もたまにならそれで



「そッスか。」
「うん、ごめんね。」
「別に。」
「じゃあ、あた明日ね?」


手をあわせて謝る
表情は変わらない
怒ってるとか残念そうな顔でもない


それに逆に安心して
バイバイと手を振った
後でメールくらいしておこう



**



ー、日曜遊びにいかない?」
「日曜?」
「あ、ゴメン、彼とデート?」
「いや?んー部活じゃないかなぁ?」
「大変だねぇ。いつ会ってるの?」
「…」


一番最近あったの、いつだっけ?
あ、やばい
だって帰りもあわないし


休みもなかなか合わなくて
てか何も言ってこないし
まぁこんなもんなのかな



「え、それ冷めすぎじゃない?」
「そう?」
「可哀相、光くん。」
「いや光もそういうタイプだし。」
「そうなの?」
「うん、全然我儘とか言ってこないし。」



年下なのに、大人だねぇと
友達が呟く
私もそう思う


いやでもいつあったっけ?は不味いか
そう思った時携帯が鳴った
送信者は彼



Date:0000/0/00
From:財前光
To:
Sub:

お昼一緒に食べん?



ちょうどいいや
うん、友達断って
今日は久しぶりに一緒に食べよう


そう思って簡単に返事を返し
携帯をしまった
お昼まであと1時間



**




「…そういえば一緒に食べるのはじめて?」
「…ッスね。」
「そっか。」



ぱらぱらと人がいる昼の屋上
久しぶりとか言って
よく考えたら一緒に食べたことなかった



「今日友達と話しててねー」
「何?」
「光は大人だって。」
「…大人…っスか?」



さっき話してた事を話す
特に何も考えず
彼の表情も、いつも通りだと思ってた


そのままお昼をすませ
あっという間に終わる時間で
教室に戻ろうとした時だった



くん



「え?」



立ち上がったところで袖を引っ張られた
誰か、なんて決まってるけど
驚いて振り返る



「光?どうしたの?」
「…行かんで。」
「え?」
「せやから、行かんといて。」
「…えぇー?」



サボりたいのか?
でもそれなら何で私も?
行動が読めずに怪訝な表情で見る



「…嫌なん?」
「嫌じゃないけど、どうしたの?」
「なにが。」
「なんか、らしくない。」
「…」



そう言ったら、彼は顔を伏せた
更に分からなくて
彼の傍に言って座る



「光?」
「…ん」
「え?何?」
「…なん、」



伏せたまま、ぼそぼそしゃべる彼
何言ってるか分からない
仕方ないから覗き込んだ


そして、ぎょっとした
いや引いたとかではなく
本当に驚いて


だって



「…泣いてんの?」
「…っ…」




何で
何で泣いてるんだろう


何に?
サボるのダメって言ったわけじゃないないよね
分からないどしよう


とりあえず
ハグして撫でてみた
いやこれ怒るかな?


と思ったら
予想外に
ぎゅと回した腕を掴んできた



「本当は…俺そんなんやない…」
「え?」
「クールとかよぉ言われるけど…」
「…我慢してたの?」



小さく頷く
つまり本当はもっと遊んだり
一緒に帰ったり、電話したりメールしたり…



「…したかった?」
「…ん」
「…言ってくれればよかったのに。」
「やって年上やん…嫌われたないし、カッコ悪いやろ…」



…なんだこれ
予想外
って私が知らなすぎただけだよね


勝手に大人だって決めつけて
好き勝手してただけだよね
しかし、これはなぁ



「…ゴメン…」
「何で謝るの?」
「…俺、こんなんで」
「…」



これは…
これはなぁ
やばい



「ううん。」
「?」
「…すっごい可愛い。」



そう言ってがっと力いっぱい抱きしめた
だって可愛すぎるこれ
自分に予想外、こいうのに弱かったんだ



「か、可愛いってなんなん!」
「え、だって可愛いんだもん。」
「男に可愛い言うなや!」
「えー可愛いもっと甘えていいよ〜?」
「アホか!」



真っ赤になりながら彼が抵抗する
涙はとまったらしい
良かった


付き合いはじめは
そんなに好きなんて気持ちなかったのは事実
でも、今は違う



「光ー」
「…なん、」
「私どんな光だって好きだと思うよ。」
「…その内、「思う」なくしたる。」



腕の中で、彼がそう言って睨んできた
そんな態度もやっぱり可愛い
言ったら怒られそうだから、とりあえず笑顔で返しておいた









ねくれもののうさぎさんは、さみしいといえなくて