後光がさしてみえた

それが私の彼への

第一印象









あとべせんぱい


突然ごめんなさい。

おはなしがあります。


放課後屋上に来てもらえませんか。


 











勢いだった

一目惚れなんてそんなもんだ

オーソドックスに、下駄箱へ手紙で攻めてやった





、本気?」

「本気!だって、もう出しちゃったし!」

「…そうだね。来てくれるといいね。」

「え、嘘、きてもくれないの?」

「…さぁ?」





曖昧に言う友達を睨み

私は手と足同時に出しそうな位ギクシャクと屋上に向かった

緊張しすぎて気持ち悪くなってきた




心臓が痛い、胃が痛い、息苦しい

屋上のドアにかける手が震える

一呼吸し思い切ってあけ、誰もいないのを確認した




びゅうびゅうと風が吹く

ドアに背を向けたまま、屋上のフェンスを

汗が滲むくらい握った




――――私は、告白するつもりです

や、違う友達になってもらうつもりです

――――でも拒否られてもいい

せめて、彼と、一度だけでいいお話がしたい





「…おい。」


「っ」





物凄い勢いで後ろに振り返った

彼が、いた

眩しい、やっぱり、キラキラしている

ああ来てくれたんだ…嬉しい




「あ、あのっ!えっと、跡部、先輩っ」

「…お前が、か?」

「はいっ!…い、い一年の、ですっ!」

「…話は?」

「あ…あの…来て頂いて、ありがとうござます。それで…」




下駄箱に突っ込んだ紙を翳しながら

頭にいっこぶんくらい上から、じっと私に視線を落とす

くらくらする

こんな近くで見たの初めてなんですが





「あの、あ、跡部先輩はすごく人気が、あるって聞きました。」

「…それで?」

「だから、きっと、すごく私なんかがこんなことして迷惑だと思うんですけど…」

「…」






「と――――――――――…友達に、なって頂けませんか。」





跡部景吾

ちょうカッコイイおぼっちゃまでテニス部部長

にんきもの




「ともだち」になって下さいなんて

それはもう、それはもう大それたことなのだ

でも、ああ、私は言えただけで幸せです




今は顔を伏せてて後光が見えないけれど

そんな貴方の近くにいられる

いま、今が、最高です




私は、貴方に一目惚れしたんです














「…――――それで?」

「え?それでって、何。」

「続きよ、続き!」

「あぁ…」





翌日、昼放課中の教室

昨日の屋上での一件を友達に話す

思い出すと、胸がドキリと、またはねた












『―――――――――友達、でいいのか。』

『…はい。』

『…わざわざ呼び出して、断りいれるほどのモンでもねぇだろ。』

『え?』

『律儀な奴だな。』





ぱす、と私の書いた手紙で

跡部先輩は私の頭を軽く、かるーく叩いた

私は30度体を曲げたまま、視線だけ上げた




びゅうびゅうと風が吹く中

跡部先輩は体を翻して、屋上のドアに向かった

私は慌てて叫んだ




『あ、跡部返事っ!』

『あ?』

『あ、あの、お返事は…?』





そう言ったら、顔だけこっちにむけて

先輩は、ふっと笑った

バカにする笑みではなく




『――――本当に、変な奴だな、お前。』

『…えっ?』

『友達になんぞ、いつだってなってやるよ。…またな、。』

『    』




きらきらきらきらと後光がさしてみえた

一瞬でいいと思った幸せだったのに

私は貪欲に、もっと、もっとと求めてしまいそうになった














「…って。」

「――ふうん。」

「…跡部先輩って、優しい。」

「…。」

「なに?」

「アンタって、幸せね。」

「…うん、すごい、幸せ。」





れ、恋焦がれ