者は誰







「邪魔。」

「…すまん。」

「でかいよ君。必要以上に。」

「…すまん。」

っ〜手塚いじめんなよなっ」

「うっさい猫!」

「猫じゃないし!」

「ごめんバカ猫その名もエージ!」

のバカッ!」





教室の入り口に、テニス部部長が立っていた

邪魔だったのでそのまま邪魔と言ったら

同じクスのの英二が噛み付いてきた





「手塚に邪魔なんて言えんのくらいだよ。」

「ありがとうほめてくれて!」

「ほめてねぇし!つか手塚も言い返せよっ!」

「…ああ。」

「何、その凄く関わるのが嫌ですって顔。」

「すまん。」





こいつ、謝って肯定しやがった…

言い返そうかと思ったけど

そんなことよりやることがあるので、やめておいた





「さぁって!マフラーでも編むかな!」





そう言って私は意気込みながら

手編みセットを机の上に取り出した

季節は冬、といえばマフラーですよね





「…え、何、君たちその顔。」

「…。」

「…何なのかなあ、そのおかしなものを見る目はああ!」

「キモイ。」

「…ふ、」






暫くお待ち下さい






「で、どうしたの…それ。」

「昨日ね、通りがかりに見つけて。」

「へー恋人様にでもあげんのぉ〜」

「あれ、さっきのもう一回して欲しい?」

「ごめんなさい。」





手塚は既に逃G…教室に戻り

今はエージと大人しく椅子に座り

本当に、私は編み物をしている





「編み物はいいけど…はまずその性格直せって。」

「えっ可愛すぎてほれちゃうから?」

「…」

「何よ。」

「気ぃ強すぎ。手塚にもアレだもんな〜」

「お黙り。」

に勝てるのってやっぱ不二だけだよにゃあ…」

「な」





ぐしっ

かぎ針が突き刺さった

目の前に座るエージを睨みつける





「…な、なんだよ。ほんとだろっ恋人だしっ!」

「いつ、どこで私が不二に負けたっつうのよ!」

「今そこで息巻いてるのが何よりもの証拠だろッ!にゃはは惚れた弱みってやつか!!!」

「ッシめるッ!!」

「ぎゃーーー!!」





「何やってんの?」





毛糸を一本引き抜き

エージの首に巻いたところで

ピタリと私の手は止まった





「さ、殺人未遂なう。」

「ふぅ〜じぃ〜に殺される〜」

「やめときなよ。」

「そうだぞ!」

「だっての綺麗な手が汚れるよ、エージなんか殺したら。」

「えぇッ酷ッ不二ッ」

「な、なにが綺麗だし!」





ごとんと、掴んでいたエージの頭を離した

体を斜めに擡げていたエージは

バランスを崩して、床に落ちた





「普通にやめろって言えばいいじゃん…」

「で、何してるの?。これ毛糸?」

「べべべ別に!毛糸の強さを調べてただけ!」

「マフラーでも編んでるの?」

「これは毛糸の長さを調べてただけでね!」

「そっか作るんだ。」

「聞けよ人の話!!」






どうせ図星ですよ

勝てませんよこの人には

確かに、一応、一応付き合ってますけどね





普段はどんな人だろうと軽く扱えるのに(失礼

こいつは、ニコニコニコニコと

いつもの私の立場を簡単に掻っ攫う




「ほ〜ら、負けてんじゃん、。」

「…お黙り。毛糸体中巻きつけて屋上から吊るすよ。」

「あはは面白いね、それ。」

「いやいや面白くないよ不二!?」





尻餅をついたまま、恨みがましそうに私を睨むエージ

それを軽くひと睨みし

ついでに不二も睨みつつ、席についた















「で、は何でマフラー編んでるの?」

「…毛糸がそこにあったから。」

「へぇてっきり、お店の広告の影響かと思ったけど。」

「え、何、あ、」

「昨日その毛糸買ったお店の前で、じっと見てたでしょ。」

「ストーK」

「え?何か言った?」

「まさか何も。」





私の前の席を占領しながら

機嫌よさげに、その端正な顔に笑みを乗せつつ

からかうように恋人は私に話しかける





「…別にいいじゃん、広告にのせられたって。」

「うん、僕もよくあるし。」

「不二も?」

「うん。前、にあげたお菓子とか。」

「あぁ、うんくれたね。中までチョコたっぷりの。」

「あれさ、コンビニででかでかと広告書かれててさ、」

「うん」

「それでが好きって言ってたの思いだして買ったわけ。」

「へぇ。私もさぁ、この前不二が言ってたじゃん、寒くなってきたからマフ…」





顔に火が付いたかと思った

…ノせられた

目の前の不二の笑みが、綺麗に深まる





「えっやっぱ不二のためにマフラー編んでるの!?」

「まだいたかお前はあああ」 ガンッ (殴)

「痛い!人殴っちゃいけねーんだぞ!!」

「うっさい!じゃあなに、プリッとでも言いのか!」

「何だよプリッて!」

「私が聞きたいわ!!」





好きなだけ叫び、ぜぇと軽く肩で息をする

けれど

不二のほうは見れない





なにさ

別に

いいじゃん





。」





呼ばれて一度無視する

ちなみに右手はエージのほっぺたを抓っているが

したらまた呼ばれた






「…〜何ッ」





ぐに





「…え、何。」

「いや、なんとなく。可愛いなぁって。」

「ッ!!」





所謂あれだ、なんだ

振り向いた瞬間にほっぺたに指を軽くさされたってやつ

そして声にならない叫びを上げて

ちなみにエージの悲鳴も上がっていたのは無視する







「楽しみにしてるね。」

「しなくていい。」

「してる。」

「…頑張らせて頂きます。」











ええどうぜ

勝てませんよ

貴方には







end