大好きな君へ祝福を
「ちょ、!このハンドミキサー壊れてんだけど!」
「反省して手でかき混ぜなさい岳人!」
「壊したの俺じゃねーよ!つかハンドミキサー使うとこを手!?」
「 気合だ。」
「いや、カッコつけていわれてもな。」
テニス部部室
休みにも関わらず集まる部員達
不釣合いな甘い香りがたちこめている
「せんぱーい、手が冷たいんですけど〜」
「よっしゃー長太郎!氷追加!」
「鬼!」
「ガキ。」
「…生クリームなんて嫌いです。」
「私は貴方が好きよ。だから黙って泡立て器動かして?」
「…はい。」
スポンジ生地
生クリーム
色とりどりのフルーツ
「おい、。このオーブンどーしたんだ?」
「え、何宍戸。オーブン?ああ太郎ちゃん買ってもらった!」
「太郎ちゃん…太郎?…え、
榊監督?」
「うん。」
「おま、それどうやって…」
「えっ…!それは…あの…」
「赤らめるな顔を!何したんだよお前!
いややっぱ言うな!!」
宍戸がオーブンを叩きながら必死の形相で言う
壊れるから叩かないで、せっかく買ってもらったのに
さてと、フルーツ係の忍足は…
「見てや〜タコさんウィンナーいちごヴァージョン♪」
「馬っ鹿じゃないの。」
「うわぁ傷つく…。」
「うん。分かったから忍足。早くいちご切れよ。」
「…はい。」
いちごをタコにしてどーすだっつーの
もう早くしなきゃ主役が来る
残る仕上げは…
「うわ〜生クリーム超大量!」
「はい先輩が量間違えて注文した生クリーム全部使いましたから。」
「チョタ怖い。あと、体から湯気でてるよ?」
「はい慈郎先輩が寝てる間に必死に作ってましたから。」
「パイ投げやりたぁい。ね?」
「…。」
「景吾さん。今日は部活が無いのに学校へ?」
「…あぁ、呼び出された。」
「部員の方達にですか?」
「あぁ。」
「お誕生日のお祝いじゃないですか?可愛らしいですね。」
「…可愛らしい?…嫌な予感がしてなんねぇんだよ…。」
「はい?」
「いや…そうだな。」
一台の黒塗りの高級車が
学園の校門前に止まった
一方まだ部室では
「案の定、生クリームあまりましたね先輩。」
「あーつくり過ぎだねぇ。パイ投げとかできそうだねー。」
「先輩ににぶつけるためなら死ぬ気で作ったこの生クリームも贈呈できます。」
「ヤダ怖い顔して!私に塗りたいなんて18禁マーク付いちゃうぞ!」
「顔にブチ当てていいですか?」
「〜俺パイ投げしたい〜やってみたい〜〜」
ボール三個分ぐらいの生クリーム
出来上がったケーキをよそに、皆でそれを眺める
私の脳みそには“パイ投げ”の文字
「いや、でも今日は跡部の為にこうしてケーキを作ったわけであって。」
「せやから?」
「パイ投げしたら、ここすごい事になるじゃん?」
「せやから?」
「…何でそういう魅力的なイベントを思いついちゃうのかなって。」
「パイ投げ。」
「パイ投げ。」
「…パイ投げ杯?」
テニス部レギュラー達
+マネージャー只今正座中
「…で?」
「ん?いやだからさ、」
「だから?」
「跡部にね、誕生日ケーキを作って祝おうと思って、」
「そうか。それがなんでこれなんだ。」
「えーっと…誕生日本人をケーキにしちゃおう計画!なんてっ」
ぱんっ
「ぶはっ!いったぁ!生クリームだって全力で投げたら痛いんだよ!?」
「それをお前は俺の顔に全力で投げたんだったなぁ!?」
「ぐ。…だってアトベってばイキナリはいって来るからさぁ…」
「反省しろ。てめぇら。ぜ・ん・い・ん。」
「「「「「ごめんなさい…。」」」」」
跡部は部室を出て、体中についた生クリームをぬぐう
部室では皆で生クリーム撤去中
私はゆっくりとそ彼に近づいていった
「跡部ー」
「…あぁ?」
「生クリームの匂いに酔ってきました。」
「そのまま潰れろ。」
「はい。」
「はい。」は了解の「はい。」ではなく
「はい、あげる。」の「はい。」だった
跡部は目の前にある箱を眺める
パカリとあければ
そこには美味しそうなフルーツケーキと
その中心にある文字はこう書かれていた
「「 HAPPY BIRTHDAY. 」」
「…。」
「いいトコ取りやん…」
「俺らも頑張ったのになー」
「俺らに渡されたら余計機嫌悪くなるって。」
「先輩が適任なんだからしょうがないですね。」
「チョタやっぱ怖い〜。」
とりあえず
本日の主役へのお祝い
無事完了
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