L.A.L






「あー…いい天気。」




風のない晴天の屋上

靴も靴下も放り投げ裸足になる

不安定なフェンスのよじ登り、跨いで座る




絶賛サボり中

やだわ不良少女みたいなんて思いつつ

お昼休みまであと少し





因に別にいつもサボってるわけじゃない

今日はなんとなーくサボっただけの

普段は至って真面目な良い子だと自負している




きんこんかん…




「あ、チャイム。」




そろそろここにも人が来るだろう

今だフェンスを跨いだままの体を揺らす

じいと遠くのグランドを見る




「…落ちたら死ぬかな。」




確かめるあたり馬鹿丸出しなのだが

別に自殺願望はゼロなので

次の日ソコに花が添えられることはないだろう




「…しかたない、独り言もあきたし教室戻るか。」




どっこらよっこいせと片足をあげる

ちょうどその瞬間風が吹き

スカートが舞った、そして




ガチャ




「あー腹減ったー」

「うるせえ岳人、何回目だその台詞。なあ樺地。」

「ウス。」

「宍戸カップルはー?」

「ジロー、カップルてキモイやろ。宍戸と長太郎は後から…




「あ」




全員の声がハモった

真正面のフェンスに登っていたのがいけなかったのか

忍足らが来たタイミングが悪かったのか




「――――パンツ見たわね。」

「見てねーよ!てめぇんなとこで何して…まさか自S」

「な、わけないじゃーん名物俺様!」

「突き落とせ、樺地。」

「すいっませんでした!」




やってきた彼らのうち一人が有名人だったので

つい突っ込んでしまっただけなのに

そんなことより、必死に謝ったせいでバランスを崩した





(あ、やば)


(落ちる)





…ぼすん





「…あれ…地面が…柔らかい?」

「…地面やないで?」

「おー侑士ナイスキャッチ☆」





・・・・・・・・・凄い

これお姫様キャッチてやつだ(?)

しかも、この人、もう一人の有名人





校内でも跡部様と1、2を争うイイ男とか

その声色と関西弁がせくしーだとか

初めてこんな近くでみたけど、確かにイケメン





「あの、すみません、幸せです。」

「素直やなあ。」

「いや、それほどでも…」

「褒めてねぇだろ。」

「黙れ、俺様何様男。」





だめだ有名人その1跡部様とは相性悪いね!

ああでもこの人はいいなぁ

優しそうだし、紳士そうだし





「…あかんなぁ…」

「え?何?」





…どうも、さっきから目線が合わないなあ

紳士忍足はどこを見てるのか

私は彼の目線を追ってみた




…ん

…脚?





「…えっと、忍足君?」

「なんや?あ、重ないよ、平気や。」

「うんそれは知ってる。そうじゃなくてね。」

「自分で言うなよなー」(岳人)

「そこ、お黙りキュウリ坊や。」

「きゅうり!?はあ!?何言ってんだお前!」

「あんんたの髪型は飾り!?理解しようよ!」

「分かるか!この脳ミソバラ色女!」




あれなんだろこのおかっぱとも相性悪いのかな

いや、そんなことはどうでもいい

バラ色って素敵だと思うし





それより…

なんで紳士忍足は私の脚を凝視しているの?

これじゃあまるで変T





「あんな岳人、きゅうり坊やってのはな…」

「え、まだその話続くのかよ、いいよ。」

「当然や。岳人=オカッパ=カッパ=好物=キュウリ、やで。」

「は!?何わけわかんねーこT

「正解忍足君!完璧すぎて涙でてきた。」

「…」





岳人が金髪くるくるに慰められているのは置いといて

名物俺様が睨んでくるのも放っといて

それより問題は





「で、忍足君…あの、私の脚が何か、」

「…綺麗やなぁ。」





あ、いま鳥肌たった





「あ、ああありがと!も、もももう大丈夫だから下り」

「アカン!脚が汚れたらどないすんねん!」

「は?」





紳士忍足の目はマジだった

え、どうしよう、どうするの?

え、この人誰?





「ねぇ、跡部様。」

「あーん?」

「この人もしかしてちょっと、ちょっとな感じ?」

「忍足は氷帝の天才だ。」

「お前広辞苑でなぐっぞ。」





「樺地、広辞苑とってこい。」「ウス。」って会話が聞こえたから

慌てて私はまた謝った

でもマジで広辞苑で天才の意味は引き直せ





「忍足君…あの、大丈夫だから。降ろせ。

「このまま膝の上でご飯食べよか。」

「頼むからこれ以上イメージ壊すな。」

「男が完璧な脚に焦がれるのは当然や…。」

「いや、あの」

「惚れたんや、お前に。」





きゅん…

あ、どうしよう

今ときめいちゃった




「…全ッ然おかしくない。」

「せやろ?あ、名前教えてくれるか?」

「伊東です。」

「今までに気づかんかったなんて…アホやな自分。」

「ううんこの魅力を前面に押し出さなかった私がバカだった。」





「…二人ともアホでバカなんだね、お似合い!」





金髪くるくるが無垢な笑顔でそう言った

私は一瞬現実に戻ったけれど

私の心はもう完全に紳士忍足のものだった





、今日部活見に来てな♪」

「もちろん。」





アホだ、アイツら絶対アホだという岳人の声

脚でいいのかお前はという冷静な跡部様の突っ込み

ウスとただ相槌を打つ樺地





なんとも平和な空間が屋上に出来ていた

出来てなかったとか








end