「こんばんはー」







ピンポーンと

お隣さんちの大きな家のチャイムを押す

今日この日、あの甘いアイテムを持って







「いらっしゃい、。」

「今晩は由美子さん。」

「ふふ、帰ってきてるわよ?」

「え、いや、あははは、そうですか…」

「あーでも今日ついでにね…」

「え?」







不二家とうちは昔からの付き合いだった

だから不二兄弟とはもう幼馴染のようなもの

そして私は裕太と同じ二年で聖ルドに通っている






そして由美子さんは

このアイテムを渡したい相手を知ってる

でもそんな由美子さんは困ったように視線を泳がせた

私は、ひょいとその視線の先を見た







「いらっしゃい、。」

「こんにちは、さん。」

「…周助に、観月さんまで…いらしてたんですね。」

「僕は何故観月がいるか分からないんだけどね。」

「裕太君に招待されたからですよ?」

「へぇ、招待…」








うわぁ美人が二人向かい合って座ってる…

その迫力に若干気圧されながらも

由美子さんに促されて、私は玄関を跨いだ









「あ…裕太…今晩は。」

「…おう。」

、今お茶淹れてくるから座ってて。」

「あ、おかまいなく由美子さん。」

「僕の隣りおいで。」

「あ。」







ひょいと軽くひっぱられて

裕太の正面

周助の隣りのソファーに座った








「今日は、どうしたの?」

「あ、えっと…あ!今日、凄かったんじゃない二人とも!」

「やっぱり、チョコですか?その紙袋。」

「あ…いや、えーっと…」







私は逃げるように、視線をそらしてみた

正面の裕太を見たら

同じように困ったような顔で







「―――そうでもなかったよ、今回は。」

「僕もですね。」

「またまた…」

「裕太君のほうが貰ってたんじゃないですか?」

「そうだね。裕太って断れないから。」

「僕は断りましたよ。好きな人からでなきゃ無意味ですからね。」

「それは同感かな。」








じっと、私は裕太の方を見た

イキナリ名前を出されて

その内容に、照れたように軽く頬が赤くなる







「嘘、言わないで下さいよ!観月さんと兄貴の方がもらいまくってたじゃないっスか…」

「断っても渡してくるんです。」

「女の子ってすごいよね。は…誰かにあげたの?」

「えっ、えっと、誰にも。」

「ここにいる誰かに渡したいのよねぇ?。」

「ゆ、由美子さん!」







その言葉に、顔が熱くなっていくのが分かる

だって、その渡したい相手に

こんな風にプレゼントを渡すのは初めてだから







自分の気持ちに気づいたのもつい最近で

由美子さんに気付かされたことだった

出されたお茶を飲むこともできず固まる








「へぇ…、誰に渡したいの?」

「気になりますね。」

「うっ…」








蛇に睨まれた蛙

否…蛇というには綺麗すぎるその二人

なんでこんなことに…そんなこと思っていたら








「俺、部屋戻る…」

「え、裕太ちょっと、待ちなさい!」








裕太がその雰囲気から逃げるように立ち上がった

慌てて、由美子さんが止めようとする

だから、私も慌てた








「ちょ裕太っ!ま…うわッ」







立ち上がろうとして

テーブルの足に、自分の足を取られて

コケる…そう思ったんだけど










「…何やってんだ、お前。」

「ご、ごめん…ありがとう…。」

「―――ほら、立てるか?」








ナイスキャッチ

裕太が前のめりになった体を支えてくれた

あぁチャンスは今かもしれない







「これッ」

「え?」

「裕太にっ…渡しにきたんだけど…」







もっていた紙袋を、押し付けた

状況を理解した裕太の顔が

面白いぐらいに赤く染まる

それを見てたら、私まで恥ずかしくなってきて







二人して、真っ赤になってみた






「え、いや…えっと、俺?」

「うん。…い、いらないなら、別に。」

「いらなくねぇよ…もらう。」

「良かった…」







安心して、やっと自然に笑みがもれた

恥ずかしくって、目はあわせられなかったんだけど

でも嬉しくて、浸っていたら








「へぇ…」

「そういうことですか…」

「!」

「あ」

「それで、いつまでくっ付いてるのかな?」

「離れなさい。」







ひょいと後ろにひっぱられて

すとんと座る

裕太は観月さんに引っ張られていた








でもソレにめげずに

というか、半分以上勢いで

ここで黙ってちゃだめだと思って









「…裕太、好きな人とか…いた?」

「…いねえけど…あ、いや…。」

「…それ私の気持ち。」

「気持ち?」

「だからぁ………えー好きというか…」

「っ」









ぼっと今まで以上に、裕太の頬が染まる

私はもう恥ずかしさで何を言ってるんだか

でもここで言わなきゃ一生言えない気がして









「それは…」

「え?」

「すっげぇ…嬉しいけど…いいのか?」

「いいのかって…何が?」

「いや、その、俺でっていうか…」

「…いいから、渡してるんでしょ。」

「…さんきゅ。」

「もらってくれる?」

「あ、当たり前だろ。」









我慢できなくて顔が、崩れる

嬉しくて、嬉しくて

笑顔が勝手に溢れる








「今日君がずっとそわそわしてたのは、このせいですか。」

「え゛、あ、観月さん…」

「そういうことなんだ、。」

「しゅ、周助っ…」




「「諦めませんよ(ないよ)?」」









いやぁな汗をながしつつ

裕太ともぱっちり目があって

…困ったように二人で笑った 



―――そしたらまた寒くなった気がしたけど















あぁこれから大変なのかもしれない

そう思ったけれど

合わされた視線が嬉しくて

チョコ以上に、甘い気持ちになった





と君と君と