直になることlast








鞄を抱えなおして

回れ右して

弟の横をすぎて、ダッシュ





呼ぶ声は無視

廊下を走り抜けた

今日一日、こんなんばっか











どこを走ってるんだか

人気のないその廊下を

私は突き当たりにぶち当たるまで走っていた





そろそろ息も切れてきた

とまろう

そう思った瞬間、心臓もとまるかと思った





がしっ

ぐい

ガラ

バタンッ





「……な、…しゅ、周助…さん。」

「…ごめんね、乱暴にして。」






後ろからイキナリ腕を掴まれて

有無を言わさず引っ張られ

近くの教室に引っ張り込まれ

ドアを閉められた





まだ腕は掴まれたまま

背中には今締められたドア

目の前には恋人





…素晴らしい早業で

…本当にビビったけど

多分今、間抜け顔だ私





「…な、な、にっ」

「腕痛い?我慢してね、逃がしたくないから。」

「に、逃げないっ」

「さっき逃げたから信用しない。」

「それはっ ――――んっ」





言い換えそうとしたら

塞がれた

…何をって、口を、口で






「っはぁ…っ…皆して、私を窒息させたいの?」

「愛してるだけ、僕も海堂も。でも海堂にははあげない。」

「…もらってもらえないし。」

「養ってって言ってたじゃん。」

「冗談…」

「そうだよね。を養うのは僕だし。」

「何言ってんの…」





ごめん、そう小さく不二は呟いて

私の肩口に額を付けた

初めて聞いた、弱弱しい声色だった




「本当に、無理だから。」

「…何が?」

が怒ってるのは辛い。」

「…」

「嫌われたら、どうしたらいいか分かんないよ。」

「…おおげさ。」

「もらったもの、全部捨てるから。」

「…もらった子悲しむよ。本当にもう気にしてないから。」

「いいよ。いくらでも酷い奴になる。」

「…似合わないことしない。」





ぽんぽんと不二の頭を叩いて

私も「ごめん」と小さく言った





こうしてるの、こんなに気持ちいいのに

これを手放そうとしていたんだ

これを拒否していたんだ





「周助。」

「…ん?」

「誕生日、おめでと。」

「…ありがとう、一番、嬉しいよ。」







やっと笑顔で顔を合わすことができた