絡まる瞬間last
とにかく走って、不二から離れようとした
何を言っても伝わらない気がして
説得させることはできないように感じてしまって
「!」
その時
聞きたいようで
聞きたくない声が後ろから届いた
「手塚…?」
はぁと肩で息をして後ろを振り返る
昇降口をとおり過ぎたところだった
手塚はちょうどそこから出てきていた
部活は始まっているはず
自ら不二を呼びに来たのだろうか…
タイミングがいいのか、悪いのか…
「…なんで泣いてる?」
「…バカなこと、をしたから」
「バカなこと…?」
「周助を…傷つけた。」
そういっても手塚の表情は変わったようには見えなかった
いつものような表情だった
でも少し眉根が寄せられ、そして言われた
「さっき俺が言ったことのせいか?」
「さっき…体育で?」
「お前は今不二と付き合ってるのに、余計なことを言った。」
「…」
「すまなかった。」
じわりと、押えこまれかけた涙が
またあふれそうになった
私はなんて情けないのだろう
「…悪いのは私だよ。自分でもちゃんと分かってないのに周助に話した。」
「…話した?」
「手塚は憧れなんだってそれだけだって。」
「ああわかってる。」
「うん。それで、好きなのは周助だけだって。」
そこまで言ってまた涙があふれてきて、言葉にできなくなった
あぁもう私は愛想つかされたんだ
もう別れられるんだ、もう
「でも周助に責められたら、」
「…」
「本当に、私は、気持ち誤魔化して周助と」
「…」
「違うのに、何も言えなくって…」
逃げてきてしまった
なんでだろう
分からない、怖くて、ただ
信じてもらえる気がしなくて
「、もう一度ちゃんと伝えればいい。」
「もう駄目、だよ…」
「俺も悪かった。ちゃんとただの憧れだと、言わなかった。」
「手塚…
「とは今は良い友人だと思ってる。この感情は…」
「「好きとは違う。」」
伏せていた顔をあげた
声のする方へ顔を向ける
手塚の声と重なったそれは間違いなく、彼のもので
「…て言いたいんだよね?手塚。」
「不二…。ああ悪かった。俺がを混乱させた。」
「…手塚はが好き?」
「あぁ、友達として。」
「そう。」
不二はゆっくり私の方へ近づいてくる
少しだけ肩で息をしている
…探してくれたんだ
「、は手塚が好き?」
「…うん…友達として。」
「…うん、合格。ごめんね、。怖がらせて。」
そう言って不二は
私の頭を撫でながら微笑んだ
合格って…
それから、不二は何度もごめんといった
カッとなったって、あんな言い方するつもりじゃなかったって
そのせいで余計ややこしくしたって
私は何度もいいと言った
三人の思いが
一瞬、からまってしまっただけだから
オマケ
「ねぇ手塚って、のどこに惹かれたの?」
「え、周助、それなんかちょっと失礼…」
「良い子だからは黙っててね。」
「…。」
「…一見普通なんだが、普通じゃない所だったか…」
「あ、僕もそこに惹かれた。」
「一目惚れじゃなかったのか?」
「え、…あ、そうかも。よく気づいたね、手塚。」
「分かりやすい。」
「嘘だあ!周助のどこが分かりやすいの!?全ッ然……ごめんなさい。」
思わず口を挟んだら
すごくいい笑顔を向けられた
黙ってるんでしたよね、すみません
ちなみに手塚はさっきのことが気になり
自ら不二を探しに来たそうです
案の定二人揃って遅刻なので
この後仲良くグラウンドを走ったとか
end